第3回目のゲストは『一般社団法人筑後川プロジェクト協会』・代表理事の駄田井正さんと『筑後川ビジネス株式会社』・代表取締役の西本英雄さん。今回は「流域を編集しブランド化する」をテーマにお話していただきました。今回は伊佐市菱刈カヌー競技場艇庫にて現地開催でした。その様子をレポートします。
『川内川かわまちづくりシンポジウム』についてはこちら。
「遊び・学び・働く」をテーマにした自由なまちづくり創造力
まずは、駄田井さんのお話から。筑後川で実践されたことを踏まえてお話していただきました。
筑後川流域での実践について
・「筑後川フェスティバル」「筑後川流域連携倶楽部」「筑後川新聞」「くるめ川まちづくり協議会」で流域情報の日常共有や住民の対話の場を行っている。
・テーマは「遊ぶ・学ぶ・働く・里つくり」等。
・「筑後川プロジェクト協会」には筑後川流域自治体、久留米大学、国土交通省、筑後川流域民間団体等、様々な団体で構成されている。
筑後川流域での取り組みは事業展開まで至っているそうです。
事業展開について
・流域を1つの博物館とみなした『筑後川まるごと博物館』。地域のありのままの姿を伝え、学習の場として活性化につなげる。また、地域のネットワークを生かし、河川環境の向上と地域の資源を活かして活性買いにつなげることを目的にしている。
・筑後川流域の生産者と市民の交流の場をつくり「筑後川の質の良い暮らし」を主テーマに新たな仕事展開を行う『ちくご川まるごと市』。そこでは久留米大学の学生と一緒に取り組んでいる。さらに、市民参加型で筑後川流域の地域の人達と生産者と一緒に地域ブランドを形成していくイベントでもある。
最後に地域創生におけるポイントお話してくださいました。
地域創生のキーポイントは
・成長社会から成熟社会へのシフトを。成熟社会こそがビジョンのヒントになる。
・生活の質と文化力向上を目指すこと。
・人類の性質と両立する世界・永続するシステムが重要。
・「遊び・学び・働く」といった囚われない自由なまちづくり創造力が必要。
ヒト、モノ、コトといった地域資産を点から線へ
西本さんからは筑後川流域連携プロジェクトを通して感じた課題等を最初にお話いただきました。
地域創生の課題について
地域創生の課題について
・情報が行き渡っていない。
・資産広報力が弱い
・専門事業人材がいない。
次世代地域創生プロジェクトの役割について
・ヒト、モノ、コトといった地域資産を点から線へ。
・筑後川では地域振興団体・資源体験ツーリズム団体・地域創生活動家チームが1つになって地域創生広報媒体社となった。
・人間力教育、自給自足価値、自立コミュニティといったものが地域創生の本質熱量をあげ、一体となり促進させる。
筑後川流域連携プロジェクトを行うことでコミュティや産学連携が生まれたそうです。
自立コミュニティについて
・日常防災啓発と拠り所として『川の駅防災ステーション』が立ち上がった。
・防災コミュニティ創りや流域歴史文化防災害啓発展示、老若男女防止寺小屋等を開催。
・公的媒体を利用して防災啓発メディアインフラ整備も行った。
地域レベルの産学連携人材開発について
・人材要件や組織要件について地域産学連携の方法論を確立。同時に、普及戦略に基づき、他コミュニティ等へ横展開。
・方法論に基づく人材研修を行い、地域自立ポテンシャルエリアへの人材供給を行う。
最後に筑後川流域連携におけるブランド通販や今後の展望についてお話いただきました。
筑後川プレミアムブランド通販について
・筑後川ビジネス社の事業資産を活用した唯一無二の生産者支援メディア通販を開始。
・自社媒体や公的媒体でも広告を行っている。
・今までになかった新時代の共感型ユーザーの獲得ができた。
筑後川プロジェクト運営協会の今後について
・課題は「誰に向けて、何が特長の団体なのか?」。
・事務局機能強化、会員ベネフィット明確化、定期活動報告、定例会合演出を案に掲げている。
・対策は、後継者育成、会員のフォローやスキルアップ、対話の場の開催、定期的な広報や講話・ツアーの開催。
流域連携におけるプロジェクトを長く継続させるためには?
講演後、参加者よりいくつか質問がありました。そのうちの1つを紹介させてします。
【質問】
『筑後川フェスティバル』を長く継続されているが開催地をどのように決めているのか?また、長く続いてきた秘訣は?
【駄田井さん】
開催地を決める方針はなく、実行委員会の中で決めている。
また、『筑後川フェスティバル』を長く継続させている秘訣は2つ。1つ目は実行委員会で街と連携している人が多いこと。2つ目は従来まちで行っているお祭りと一緒に開催すること。
ご登壇いただいた駄田井さん、西本さん、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。